日本一わかりやすい小論文講座

大学受験に役立つ小論文の書き方について解説します

第2回 小論文の出題パターン1 意見対立型の問題

今回は小論文の出題パターンの1つである意見対立型の問題に対する回答方法について解説していきます。

 

まず初めに小論文の出題パターンについて説明します。下図の通り、出題パターンは大きく3つあり、意見対立型の問題、課題解決型の問題、意見提示型の問題となります。

 

まず、意見対立型は相反する意見が提示され、それに対して自分の意見を述べる問題になります。

 

課題解決型は社会で課題となっているものが提示され、それに対する解決策を述べる問題です。

 

最後に意見提示型は、最初に文章やグラフ・資料を読んだ上で、それらの内容を踏まえて自分の意見を述べる問題です。

 

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今回は意見対立型の問題について解説をしていきます。この問題は他の2つの問題よりも回答方法がシンプルなので、是非とも今回のブログを読んでマスターしていってください。

 

意見対立型の問題は先ほども説明した通り、賛成か反対かなどと言った相反する意見が提示されて、それに対して自分の意見を述べる必要があります。例としては、日本の移民の受け入れに賛成か反対か、安楽死に賛成か反対か、消費税の増税に賛成か反対かと言った問題が挙げられます。

 

このような問題が出てきた場合、まず最初にそれぞれの意見を支持する理由を自分なりに整理する必要があります。そして、整理した理由を比較した上で、より書きやすい方で書くのがいいでしょう。わかりやすいように、これから以下の設問の回答を実際にやっていきましょう。

 

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それでは最初に、移民受け入れに賛成と反対を支持する理由を挙げていきましょう。

 

移民受け入れ賛成の理由としては、「労働力不足を解決できる」「国内消費が高まり経済が活性化する」ことがあげれらますね。

 

一方、移民受け入れを反対の理由としては、「犯罪が増えて治安が悪化する」「国内で民族対立が起きる」「日本は日本人のみが住む権利を与えられるべき」といった意見があるかもしれません。

 

これらの理由を下図の通りまとめました。

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次に、まとめた各理由についてチェックしていきましょう。ここで重要になるのは、理由は客観的である必要があり、逆に主観的なものでは試験官を納得させられないという点です。

 

今回の場合、移民受け入れ反対の3番目の理由として「日本は日本人のみが住む権利を与えられるべき」という考えが挙げられていますが、これは主観的なものなので削除しましょう

 

それでは移民受け入れ賛成と反対の各理由を比べてみましょう。賛成の理由である「労働力不足を解決できる」と「国内消費が高まり経済が活性化する」については移民受け入れの代わりに女性や高齢者の社会進出を促進しても達成できそうです。そのため、今回は逆の反対を支持するスタンスで書いてみます。もちろん、賛成で書いたらダメということではありません。みなさん、自分が書きやすい方で書いていただいて構いません。

 

意見対立型の問題で小論文を書くにあたっての留意点は下図の通りです。

 

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まず、書きはじめとしては、「私は以下の点から〜に賛成/反対である。1点目として〜、2点目として〜」といった書き方がシンプルでいいと思います。よろしければ参考にしてください。

 

次に、小論文では自分の意見(今回の場合、移民受け入れに賛成か反対か)、理由、理由を支持する根拠の順序で書く必要があります。

 

また、自分とは反対の意見に対して反論ができると非常に望ましいです。反論することで自分が様々な角度から問題を見ていることを試験官にアピールすることができます。

 

最後に、自分の意見(賛成か、反対か)を再度述べて文章を締めくくります。

 

以下が合格答案の例です。

 

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この合格答案では、最初に日本への移民受け入れに反対とした上で、反対の理由として治安の悪化、国内の民族対立を挙げ、更にはその根拠としてドイツとアメリカの事例を挙げています。

 

また、移民受け入れの賛成意見として想定される「労働力不足の解消」や「国内経済の活性化」については別の代替策を示すことで効果的に反論しています。

 

みなさん、意見対立型の問題の回答方法についてわかりましたか。正しい回答方法に基づき日頃から小論文を書くトレーニングをしていれば、確実に試験でも合格答案を書けるようになります。

 

最後になりますが、このブログの内容は以下のYoutubeでも解説しています。もしよければご視聴ください。また、Youtubeにアップしている動画スライドについても参考までに添付しておきます。

 

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これからも皆様の小論文スキルが向上することを目指して、これからも情報発信を続けますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 

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